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東京建築賞選考委員会 委員長 鈴木博之  
 今年は東京都建築士事務所協会設立60周年にあたるので、特別賞を制定し、多くの作品の応募を期待していた。その結果を見ると、今回の応募作品は戸建て住宅部門10件、共同住宅部門15件、一般一類9件、一般二類12件であった。前回の応募総数より12件減少であった。その理由は解らないが、建築士事務所を巡る環境がゆれ動いているためかも知れない。次回には多くの応募を期待したい。
 応募締め切り後、選考委員が応募パネルを検討して現地審査作品24件を選出した。各委員は手分けをして、精力的に現地審査を行った。遠隔地の作品もあったが、刺激的な作品に出会えるのは嬉しい。
   現地審査の終了した4月22日に最終審査委員会を開催し、全体の合議によって入賞作品を決定していった。その結果、今回特に定められた60周年特別賞に「大網白里アリーナ」が選ばれた。また東京都知事賞には「桐朋学園大学アネックス」が選ばれ、各部門ごとにそれぞれ入賞作品が選ばれていった。入賞作品の評価は、それぞれの選評に記されているとおりであるが、大規模な作品にも小さな作品にも、設計密度の高い優れた作品が多かったのが収穫であった。個人的には戸建住宅部門や一般一類の、小規模建築に意欲的な試みが現れることを夢に見続けているのだが。