東葉高速鉄道によって習志野キャンパスの動線は一変し、様々なキャンパス整備が進められ、日大前駅からのアプローチの正面にこのテクノプレースが位置付けられた。3棟の各々独立した大型実験室が配置される事になり、この立地の特性を生かすために、従来閉鎖的な実験施設の概念を打ち破って実験を全てオープンにし、ショーケースとして公開するというコンセプトとなった。その結果が建築を極めて明るい軽快な形態に仕上げる事につながっている。実験棟をつなぐフロースペースは、全面のみに広大なガラスカーテンウォールを設けただけで、他の面は全てオープンな半屋外空間である。各々の実験棟を貫通して、様々な見学 |
|
ルートやデッキテラス、打合せブース、多目的室等が点在し、それぞれに魅力的なスペースを作っている。全面の屋根を覆うのは膜構造で、実験室部分はダブル膜となり、熱負荷に対処した上で全体が非常に明るい開放的な空間となって“風と光”を存分に感じられる。風は夏冬の風向のシミレーションによって快適さを保持されるように計画された。外観を構成する竪ストライプは、人間の歩幅に合せて内部空間が垣間見られるように意図された。結果シンプルなストライプとゆるやかにうねる屋根が、キャンパスの正面性にふさわしい形態を作り出している。大学キャンパスだからこそ可能となった、自由で創造性に富む建築となった。 (岡本 賢) |