郊外住宅地に建てられた夫婦と２人の子供のための住宅である。
北側角地の敷地、しかも周辺は二階建ての住宅がせまっており、新しく住宅を計画するには採光面、プライバシー確保の面など不利な条件が多い。タイトルのとおり、凹型のプラン形状をした平家建てであり、凹みの部分はテラス状の中庭になっている。すべての空間はこの中庭に向って開かれており、採光、通風を確保しつつ、外部空間を取り込んだワンルームの住居に見える。つまりあらゆる部屋が中庭を介して繋がり、開放的で多様な「居場所」を獲得している。
特に、楕円形状の掘り床は背もたれがあり、床下に
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沈み込むような安心感のある床座と、掘り炬燵式の椅子座と変化し、立ち位置での視線との組み合わせが住まう楽しさを演出している。これらを可能にしている床暖房と竹のフローリングは、耐久性と足触り、無駄のない快適さに寄与している。
子供部屋は可動の収納により広さが調節でき、子供の成長に合わせ自在に変化させることができる。木製高床の中庭テラスは前面のカーポートのパーゴラにより適度に外界と仕切られ風や光りの取り込み機能以上に快適な外部居間となっている。前面玄関前外部の竹林も無味乾燥の印象を与えがちな住宅地に自然の息吹きを与え好ましい。（栗生 明） |
