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東京建築賞選考委員会 委員長 鈴木博之  
 今回からこの建築賞の応募部門が4部門となった。一般部門を規模によってふたつに分けたのである。また、前回から受賞作品には建築物に取り付けることのできる銘版を贈呈することとなった。こうした変更の結果か、応募件教は大帽に増加した。まことに喜ばしいことであった。具体的には戸建住宅部門8件、共同住宅部門19件、一般一類9件、一般二類15件である。応募件教の増加は単に作品数の増加ではなく、力作が増える結果にもなった。
 審査は例年のように応募パネルの審査によって実地審査の対象を選出した。この結果、戸建住宅部門5件、共同住宅部門10件、一般一類6件、一般二類9件を実施審査対象とした。実施審査を終えた4月26日最終審査委員会を開催し、全体の合議によって入賞作品を決定していった。戸建住宅部門は優秀賞2点、奨励賞1点、共同住宅部門は最優秀賞1点、優秀賞1点、奨励賞2点、一般一類は最優秀賞1点、優秀賞1点、奨励賞1点、一般二類は最優秀賞1点、優秀賞2点、奨励賞2点となった。また東京都知事賞は一般二類で最優秀賞となった大
  東文化大学板僑キャンパス(第1期)が受賞することになった。受賞作品数を極カ抑制するようにとの方針であったが、応募作品の質の高さを考えると、こうした受賞作品数とならざるを得なかった。多くの応募作品の中から受賞された作品に敬意を豪したい。また、惜しくも受賞を逃した作品にも多くのカ作があった事を強調しておきたい。
 受賞作品については個別の選評にゆずるが、ここでは今回の応募作品群のふたつの特徴について記しておきた
い。ひとつは共同住宅部門の応募作品の多様性と質の高さである。今回の共同住宅にはさまざまな企画にもとづく多様な試みが見られた。今後の都市環境を考える際に多くの示唆を与えるであろう。また、応募事務所の種類に関しても特徴があった。大規模組織は安定した設計カを示したし、中小規摸の事務所もまた野心的な試みにチャレンジしたり、落ち着いた質の高い作品を生み出したりしていた。今後とも多様な組織が多様な試みをつづけてゆくことを期待したい。