今回の応募作品は戸建住宅部門10件、共同住宅部門12件、一般一類9件、一般二類14件である。いずれの作品も力作ぞろいであり、応募のパネルを検討して現地調査作品28件を選出した。できるだけ多くの作品を現地で審査したいというのが趣旨であるが、実際に見てみたいという建築的興味を引く作品が多かった。実際
現地調査のたびに、新鮮なカ作に出会えたのであった。
現地審査の終了した4月27日に最終審査会を開催し
、全体の合議によって入賞作品を決定していった。その結果、戸建住宅部門では最優秀賞1点、優秀賞2点、共同住宅部門では最優秀賞1点、優秀賞1点、奨励賞1点
、一般一類では最優秀賞1点、優秀賞2点、一般二類では最優秀賞1点、優秀賞2点、奨励賞1点を選出した。一般二類で最優秀賞を受賞した「味の素グループ高輪研修センター」は東京都知事賞も合わせて受賞することとなった。これら受賞作品の設計者には敬意を表したい。
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それぞれの作品については各選評に譲るが、ここでは東京建築賞全体の傾向について感想を述べておきたい。近年の傾向として、共同住宅部門の質の向上が上げられ
る。分譲マンションの多くは、経済設計を旨とするものが多いが、応募作品はそうした定型的な事例を越えた新しい試みを目指したものが多かった。都市内の居住環境の向上の為に、今後ともこうしたカ作が応募されることを期待したい。
また、一般二類の部門は大型建築物の応募が可能であるため、大型設計組織による大規模建築がめじろ押しとなった。その質も極めて高いものがあるが、東京建築賞としての特質をどこに据えるかが課題となろう。これは選考委員会側の課題であるが、いかにも東京建築賞らしいといわれるような作品を選出し続けたいものである。
今後とも多くの多様な応募作が寄せられることを期待したい。 |