目白駅近くの閑静な住宅地にある、高グレードな個人住宅である。閉鎖的になりがちなコートハウス形式の住宅を、4セットのL型の壁をかざぐるま形に配置するプランにより、適度に都市への生活空間の表情が表出する住宅を実現している。
かざぐるま構成により、中庭を取り囲んだ各室は、相互に適度な間合いを持って空間を共有しながら、且つ外部自然環境と触れ合う豊かな室内環境が生み出されている。各室は、常に風が通り抜け、光が差し込み、設備的な負荷が低いパッシブデザインと言えるものとなっている。断面構成としては、全面道路の高低差
|
|
を生かし、駐車場を地下に収め、地上階はかざぐるまに沿って床レベル差を設け、徐々に上昇していく空間を作り出し、生活のシークエンスを演出している。構造的にもバランス良く配置されたL型の壁により、安定した安心感ある建物である。
クライアントの高い美意識と設計者のコラボレーションが良く、家具等隅々まで神経が行き届いた高品質の住宅となっている。全般的に奇異を衒わず、こなれた堅実なデザインでまとめあげており、完成度が高い建物である。(北 泰幸) |