設計者 |
建築施工者 |
建築主 |
仙田満+環境デザイン研究所 |
株式会社千葉工業 |
学校法人下志津学園 |
■建築概要
建設地: |
千葉県・四街道市 |
用 途: |
幼稚園 |
構 造: |
木造一部S造 |
延面積: |
1,417.78m2 |
■審査評
園舎の耐震改修と、続き棟としての新築 という建築計画部分のみならず、
植栽ランドスケープやアクティビティの展開も含めた敷地各所への提案など、
園全体にわたるコーディネーションプロジェクトとして高く評価された。
改修部分は、アプローチ空間でもある南側の園庭に対して各室が東西に並列するごく一般的な木造幼稚園建築である昭和49年築の平屋園舎に対し、
横揺れをとめる鉄骨造の耐震補強要素として、本体から庇状に跳ね出すフレームが新たに加えられている。
木造の耐震改修であるからこその軽さを生かした設計の結果、単なる機能的な耐震改修だけでなく、
園庭から保育室へ入室する前室的な屋外玄関やデッキを配した庇空間、園舎北側にひろがる竹林前の屋外広場と園庭へ光と風、
園児の通り抜けみちなどとして、場所性豊かな空間が創出されている。
きびしい季節風を緩和する意図も含めて敷地西側に南北方向に長く配置された新築部分は、柔らかな印象の集成材構造でまとめられており、
園の運営にあたられる方々の、園児の活動や子供を育てる家族へのあたたかいまなざしを、空間として実現したものとなっている。
子供達の活動がきめこまやかに想定された屋内遊戯ホールは、全開放できる開口構成によって屋外広場側を観客席としたステージへ反転させて利用することもできるなど、
屋内外にわたる自由な発想のアクティビティ展開を誘発している。
トータルプロデューサーとしてのデザイナーの役割が、決して華やかとはいえない都心以外の地域においてもしっかりと実現されていることが実感され、設計者が地域社会に対して果たすべき役割についても示唆に富んでいると考える。(國分昭子)
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