設計者 |
建築施工者 |
建築主 |
(株)竹中工務店 東京一級建築士事務所 |
(株)竹中工務店 |
(株)竹中工務店 |
■建築概要
建設地: |
東京都・江東区 |
用 途: |
共同住宅 |
構 造: |
RC造 |
延面積: |
8,036.97m2 |
■審査評
壁式鉄筋コンクリート造は、壁版と床版だけで構造を成り立たたせ、室内に梁形や柱形が突出しない、効率のよい空間を創出することができる構造方式である。
一方、地震エネルギーの吸収能力が低いことから、通常の設計方法では、5階を超える高さの壁式鉄筋コンクリート造は、認められていない。
「FLATS東陽」では、この制限に果敢に挑戦して、地上12階、高さ40mに及ぶ、高層建築を壁式鉄筋コンクリートで実現している。
耐力壁はほぼ正方形平面の中央に設けられたコアを取り囲む位置と、戸境壁位置にバランスよく配置され、
外部に面する壁面はカーテンウォールとされている。懸念される地震エネルギー吸収機能は、建築全体を免震構造にすることにより満足させている。
外周部には床荷重による鉛直荷重のみを負担する、細めの鋼管列柱が配置されている。この列柱の内側に配置された外壁面は、北側を除く3面がガラスとされ、十分な眺望と明るさが確保されている。床は中空スラブによる無梁版として、階高が3.0mにもかかわらず、天井高は2.47mとされている。
このように建築計画は 免震構造と壁式鉄筋コンクリート造の組み合わせで、それぞれのもつ構造的な特質が無駄なく十分活かされたものとなっている。
また、省エネに配慮した放射冷暖房システム、住環境改善を意識した通風システム、躯体段差を設けずに床段差のない室内を実現する配管計画等々、
設計者がこれまで多くの経験から培った技術が、十分に活かされた優れた建築となっている。(金田 勝徳)
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