設計者 |
建築施工者 |
建築主 |
清水建設(株) 一級建築士事務所 |
清水建設・ 大石組共同企業体 |
(株)新潟日報社 |
■建築概要
建設地: |
新潟県・長岡市 |
用 途: |
事務所 |
構 造: |
S造 |
延面積: |
2,168.16m2 |
■審査評
敷地は、中越地震の後に仮設住宅地として使われたJR操車場跡地における、公園や庁舎等の新設による再構成という、 既存のコンテクストの少ない新しい街区にある。地方都市のこうしたエリアの建築物としての、あるいは、
歩行だけでなく車のスピード感にも即した外観といった設計上の要請にも、鋼板材や、既製サッシといった一般部材の組み合わせにもかかわらず、
大味に陥ることなく、存在感を備えながら、都会的な洗練度をもったたたずまいがつくり出されている。
注目すべきは、豪雪地帯では通常計画されることの少ない「中庭」という空間要素の導入である。積雪時の技術的対応がなされた中庭は、
この空間を介してのさまざまな利用者同士の視線のふれあいと空間体験の交わりをもたらす。
さらにメインエントランスがあっても実際には施設裏側の駐車場寄りのアプローチが大半を占めることになる利用者にとって、入口を入るとまず出迎えてくれるのがこの心地よい空間であり、建物の第2の顔ともいうべき空間構成が実現されている。
周辺街区の建物形態への期待も込めたとされるデザイン部分など、街と接する部分の空間構成には、ひとりよがりな側面も否めないが、
メディア会社の支社機能に加え、地域に根差し、複合的事業形態をもりこむことで情報発信拠点化をめざした企業に対して、
若手の設計者によって、きめ細やかで真摯な態度にて取り組まれており、今後の一層の設計活動の発展を期待したい。(國分 昭子) |
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