設計者 |
建築施工者 |
建築主 |
(株)日建設計 (株)乃村工藝社 (株)大林組一級建築士事務所 |
(株)大林組東京本社 |
(株)乃村工藝社 |
■建築概要
建設地: |
東京都・港区 |
用 途: |
事務所 |
構 造: |
S造一部SRC造 |
延面積: |
15,780.97m2 |
■審査評
ディスプレイ業界最大手企業の本社ビルである。
一連の旧本社ビルは、清家清氏設計の名作で、それを詳細に観察し、その記憶を受け継ぎながらも、新しい時代の本社ビルを、
「クリエイティブなワークプレイス」をテーマに挑戦している。
企業のワークスタイルを分析し、チーム作業と個人作業が交互になされるという、
独自の形態に対応したカスタマイズされた知的生産活動の場を創出した。
エレベーター等のコアを分散して、内部に鉛直力を負担する6本の柱を配し、外周部に特徴あるブレースを設け、
アクティビティな内部企業活動の外部への表出を狙いとしている。階高を4mとすることで、踊り場の無い鉄砲階段を可能とし、
流動性あるスキップボイドとして、階という概念を越え、スタッキングの限界を打ち破っている。
階段室とは感じさせない空間は、それに繋がるワークプレイスと一体となり、クリエイティブな作業、
コミュニケーションの誘発に適した環境を形成し、外からその活動が窺える設えとなっている。
エントランス部の、地下1階からの吹き抜けに設けたスタジオは、記憶の展開であるとともに、外部から覗き込めることが出来る。
其処が単に企業のプレゼンテーションスペースに止まらず、建物周囲の広場空間と一体となって、お台場地区にユニークな企業文化を発信し、
人工造成された都市が人間的な空間へ発展することに繋がっていくことを期待したい。(北 泰幸) |
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