設計者 |
建築施工者 |
建築主 |
清水建設(株)
一級建築士事務所 |
清水建設(株) |
清水建設(株) |
■建築概要
建設地: |
東京都文京区 |
用 途: |
共同住宅(独身寮40室) |
構 造: |
RC造 (免震構造) |
延面積: |
2,849m2 |
■審査評
日本における地震との戦いに休みも終わりもない。数年前から「東京湾北部地震」が起きれば、死者1万人以上、全壊焼失棟数80万などと、とてつもない数字が語られている。それより先に起こった東北地方太平洋沖地震では、それをはるかに上回る被害が出ている。外国の識者が「こんなに地震の多いところに超高層建築を建てる日本人は余程、楽観主義なのか人生をあきらめているのかのどちらかだ」と驚いていた。
日本の耐震技術は世界に引けを取るものでない。とは言えまだ分かっていないことが数多く、更なる安全に向けての不断の努力は欠かせない。一方で忘れてならないのは、災害時のセーフティーネットであろう。災害時に取り敢えずの食・住環境を継続的に保全できる施設が地域毎に確保されているとしたら、被災者の不安感を大きく和らげることができるはずである。
清水建設白山寮は、そうした施設のひとつとして建設された。もともと長年この地にあった独身寮の建替えを機に、災害時には地域の災害復旧支援拠点としての役割を担うことが、その設計コンセプトとされた。このコンセプトの基に綿密の計画がなされたこの施設は、支援拠点としての機能が過不足なく備わり、並々ならぬ熱意で維持管理されている。
この施設を目の当たりにした時、建築のそこここをあれこれ論ずるまでもなく、この施設が目標としたものと、それを十全に達成している関係者の姿勢に感服させられる。
(金田 勝徳) |
|