設計者 |
建築施工者 |
建築主 |
(株)協立建築設計事務所 |
(株)熊谷組 |
学校法人 日本大学 |
■建築概要
建設地: |
千葉県 船橋市 |
用 途: |
教育施設 |
構 造: |
S造 |
延面積: |
1,384m2 |
■審査評
日本大学理工学部船橋キャンパスの新サークル棟は、船橋日大前駅に直結し周辺に新興住宅地が広がる37万平米の広大な敷地の一画にある。新サークル棟は、それまでの老朽化したプレファブ2階建てをグランド、テニスコートや武道場のある北西地区に移し、周囲との調和を意図しながら圧迫感のない平屋建てに建替えられた作品である。建物は、決められた敷地区画にたくさんのサークルを効果的に配置するため、1部屋を3.8m × 3.2mとした構造フレームをモジュールにした外周57.0m × 25.6mのグリッドを成立させた。これにより120のマス目が作られ、サークル室、通路、トイレなどが幾何学的に嵌め込まれ、最大60のサークル室が納まる計画だという。通路よりサークル室を高くし、通路から飛び出た面を連続したガラス張りに、通路屋根高さまでをグレーの金属パネルで覆った外観は、軽快ですっきりした印象を受け好ましい。この種の計画では無機質な空間になりがちだが、迷路状の半戸外通路と中央に置いた2箇所のミーテイングルームの上部から差し込む自然光で明るく躍動的な空間が生まれている。統一されたサークル室の広さは、高い天井とともにハイサイドライトにより、その活動内容によって立体的にも有機的な利用が可能となる造形は巧みである。平面、断面的にも変化があり、将来の可変や活動の多様性に柔軟に対応できると期待できる。周辺環境にも配慮された施設は、キャンパス計画に一石を投じる質の高い作品として高く評価され一般一類の最優秀賞に選ばれた。
(福島 賢哉) |
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