設計者 |
建築施工者 |
建築主 |
(株)久米・早川建築関連業務共同企業体 |
安藤・要・菅原 特定建設工事共同企業体 |
茨城県 |
■建築概要
建設地: |
茨城県 笠間市 |
用 途: |
医療施設 |
構 造: |
RC造一部S造 |
延面積: |
16,848m2 |
■審査評
建築は計画者と利用者が敷地内に閉じた意識を持ってしまえば物理的に都市空間の一部を占めるにとどまることになるが、公共性の高い建築が本来果たすべき役割には空間実現による社会とのよい相互作用生成があると考える。
かつて社会と隔絶されていた精神医療、長年の存続の中での制度構造的な疲弊の過去と病院の再構築の紆余曲折をお聞きしつつの短い見学時間においても、新たな建築での体制以降この空間が広く社会から認知、受容されている様子が実感できた。既に一日外来者目標数超過とのことで、新たな建築行為がサービス提供者の意識変化を喚起し,さらに人々の利用と社会認識を変化させた相互作用の様相と建築の力を認識することができた。オープンな交流プラザを中心とする共用空間の雰囲気は、適切なスケール感、素材選定等空間的要素だけでなく、スタッフと地域ボランティアの温かなもてなしというソフトとハードの強力タッグによって実現されている。 クラスター形式の病棟では病室に付随する様々な機能と専門的かつ複雑な管理システムが実現されており、設計者においてはこうしたプログラムを空間として構築する総合力に加えて,様々なレベルの疾患者に対し彼らの行動をトレースしながら利用の立場として空間を捉えようとするきめ細やかな視線も随所に感じられ、最優秀にふさわしい作品とみとめられた。
(國分 昭子) |
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