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建築設計業務の紹介
建築士の業務とは

建築士の仕事は建物を建てたいお客様の要望を聞き、構想づくりから建築物として実現し、さらにその後も様々な形でかかわる建築物と長く関わる仕事です。その為の必要な国家資格が建築士で、その資格を生かしてお客様の建築に関わる夢を実現する仕事と考えてよいでしょう。
建築士の資格は設計計画できる建物の規模・用途により異なり、その特徴はたくさんありますが、いくつかの視点からその業務を紹介していきます。

建築士資格とは

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「建築士」とは、資格の名称のことを言います。
建築士の資格には、「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」があります。
建物の規模、用途、高さや構造形式により、それぞれの資格で設計可能な範囲が建築基準法および建築士法で定められています。

また、構造設計、設備設計のより専門性の高い資格として、構造設計一級建築士、設備設計一級建築士が定められて、一級建築士取得後5年以上の実務経験を経て得られる資格もあり、これらの資格取得者が日々活躍しています。

建物ができていくステップごとの
建築士の設計業務の仕事

業務の内容を建物ができるプロセスに沿って、各ステップごとにご紹介します。
大きくは「構想段階(企画調査業務)」「設計段階(基本設計、実施設計業務)」「許認可段階(実施設計業務)」「施工段階(工事監理業務)」、そして最近は「維持保全段階」を含めて語られます。

一方で、建築士に対してどの段階にも共通して言えることは、建物に責任をもって関わり、いわば建物づくりの責任者であるということです。建築士は「建築士法」という法律で定められた職業であり、その建物への責任は大きいものがあります。しかしその分、建物をお客様がつくりたいと思った時から建物を実現し、そこに住み、活動する段階、あるいは模様替えなどの改修をするときも建築士は関わり、いわば建物の一生にお付き合いする仕事です。

では、各業務の内容をステップごとにご紹介していきましょう。

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企画調査業務

構想から実現に向けてお客様と一緒に練る構想段階

まずはお客様の夢を建築構想として実現できるかを検討し、構想をまとめます。
お客様の様々な期待する要望を受けて、建築技術の知識を駆使してどのような建築物にすべきか、あるいは建築空間をつくり上げるかといったことを模型をつくったり、完成イメージ図を描いたりして発注者と議論を重ね、まとめることが構想段階です。

建物の間取りや外観、内観だけでなく、事業資金のための建設の概算コストや出来上がるまでのスケジュール、あるいは次の設計段階のために必要な敷地・地盤の調査、必要ならば今ある建物の診断・調査などをまとめます。(建築士の仕事に既存住宅状況調査技術者の仕事があります。現在ある建物の診断業務を行う資格ですが、建築士は講習受講・考査で取得できます)

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基本設計業務/実施設計業務Ⅰ

専門性を発揮し要求等を確認し図面化を進める、いわゆる設計段階

次に構想を現実の建物としてつくるための計画を練り設計図にまとめます。
同時に建築基準法という国内の建物が満足しなければならない法律基準を満たしながら、お客様が最終的に欲しい建物の内部の間取りや、吹き抜けなどの空間、あるいは外観などのデザイン設計から、さらに地震、台風などを含めた建物の強さに関わる構造設計、給排水設備や電気設備などの設備設計、など様々な機能を実現するための設計を行い設計図面にまとめます。
現在は建物に関わる技術は大変多岐にわたり専門化しているので、実際は建築士といってもそれぞれの専門分野で分担して作業を行いますが、これを合わせて全体をまとめる機能も建築士の仕事です。そのうえで次の段階で建設に関わる人たちに的確に伝わる正確な設計図を作成します。

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実施設計業務Ⅱ

さまざまな許認可を取ると同時に施工のための準備を行う段階

建物を施工するためにはお客様に代わって、様々な法規制を満たして設計図面を作成し、建築の許可を取得する必要があります。
現在は、建物が法規に合致しているかという基本性能だけでなく、省エネルギー性能やバリアフリーの配慮度など、あるいは消防活動から見た必要機能を満たしているかなど多岐にわたる法規をすべて満たさなければ許可は得られず、建設に着手できません。その許認可の責任者が設計者であり建築士の資格を持つものになります。そのうえで次の段階の施工会社のための数量書の作成や見積り作業など様々な前準備の業務を行います。

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工事監理業務

期待通りに建物がつくられるよう監理する施工段階

実際に建設物として建物を造るのは施工会社の役割ですが、この段階でも建築士には重要な役割があります。
施工会社に正確に設計内容を伝えたのちは、施工会社が正しく意図する設計図書通りに施工しているかを確認する監理業務を行わなければなりません。これも設計と同様に資格を持つものが責任をもって行う行為です。
また、適切に建物が施工されていることを発注者や官庁に検査して報告することも建築士が担う仕事の一つです。

建物が出来上がってからの
「お付き合い」

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建物をお客様が使いだしてからも様々な建物に関しての相談、要望が起こります。
そこには、建物の専門家として建築士の業務があります。さらには数年後に間取りを変えたり、用途を変えたりなど時間とともに建築物に対するお客様の要望も変化してきます。その都度、建物を大きく変えるための建築の専門家として計画をまとめ設計を行う役割を建築士は持っています。その意味で建築士は建物のライフサイクルパートナーといえます。
建物が出来上がり、その一生を見ていく中での建築士のかかわりの大きさが理解いただけたと思います。