建物を設計するとき、地震に対して安全に設計することを「耐震設計」といい、「耐震設計」のもとになる基準を「耐震基準」といいます。
国では大地震がおきて建物が被害を受けると、どうして被害を受けたかを研究して同じ被害を受けないように新しい考え方を盛り込み、「耐震基準」をきびしくするなど、法律や基準を改正してきました。
今使われている耐震基準は「新耐震設計基準」と呼ばれ、阪神・淡路大震災においても、この基準によって設計された建物は被害が少なかったといわれています。
耐震診断というのは昭和56年(1981年)5月以前に建てられた建物が、この「新耐震設計基準」とくらべて、どこが弱いか、どこを補強すればよいかを調べるものです。
阪神・淡路大震災では木造ばかりでなく、堅固な建物といわれている鉄筋コンクリート造や鉄骨造も大きな被害を受けました。
「災害に強い安全なまちづくり」のためには、今お持ちになっている建物が、安全であるかどうかを知ることが大切です。
今回のような大地震で、被害を受けた建物の復旧に要した費用と、あらかじめ耐震改修を行ったと仮定したときの費用とを比べてみますと、あらかじめ耐震改修を行った費用の方が、はるかに少なくてすむといわれています。
このように耐震診断は、改修や補強の目安となるものであり、「転ばぬ先の杖」なのです。